2025年2月1日土曜日

 【夜明け前拾い読み-28】

禁門の変で敗れ、下関戦争で痛手をを負った長州ですが、これを機に武力強化を図りそれをイギリスが支援しました。一方幕府の統制は崩れるばかりで、長征の途中大阪で将軍の薨去というオマケまでついて長征軍が力なく江戸に引き上げる様子を街道筋で目の当たりにした妻籠宿の寿平次の述懐です

以下本文抜粋しました。


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しかし、半蔵さん、征討軍の鉄砲や大筒は古風で役に立たなかったそうですね。なんでも、長防の連中は農兵までが残らず西洋の新式な兵器で、寄せ手のものはポンポン撃たれてしまったと言うじゃありませんか。あのミニエール銃というやつは、あれはイギリスが長州に供給したんだそうですね。国情に疑惑があらばいくらでも尋問してもらおう、直接に外国から兵器を供給された覚えはないなんて、そんなに長防の連中が大きく出たところで、後方に薩摩やイギリスがついていて、どんどんそれを送ったら、同じ事でさ。そこですよ。君。諸藩に率先して異国を排斥したのはだれだくらいは半蔵さんだっても覚えがありましょう。あれほど大きな声で攘夷を唱えた人たちが、手の裏をかえすように説を変えてもいいものでしょうかね。そんなら今までの攘夷は何のためです。

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#夜明け前

#島崎藤村

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