【夜明け前拾い読み-20】
生麦事件後イギリスの高圧的な態度は激化していき、ついに薩長戦争にいたりました。この時点で薩摩も償金十万ポンドで十分とし譲歩の意思はまったくなかったようです、
以下本文抜粋しました。()内は私の注釈です。
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半蔵は西から来る飛脚のうわさを聞いた。屈辱の外交とまで言われて支払い済みとなった生麦償金十万ポンドのほかに、被害者の親戚および負傷者の慰藉料としてイギリスから請求のあった二万五千ポンドはそのままに残っていて、あの問題はどうなったろうとは、かねて多くの人の心にかかっていた。はたして、イギリスは薩州侯と直接に交渉しようとするほどの強硬な態度に出て、薩摩方ではその請求を拒絶したという。西からの飛脚が持って来たうわさはその談判の破裂した結果であった。九隻からのイギリス艦隊は薩摩の港に迫ったという。海と陸とでの激しい戦いはすでに戦われたともいうことであった。
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#夜明け前
#島崎藤村

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