【夜明け前拾い読み-4】
ペリー黒船の横暴さを惜しむ藤村自身の述懐に思えます。
日本民族の争いを好まず外来者への柔軟性を訴えるいかにも国学の徒らしいものですが今後の軋轢を想起させますね。
以下本文抜粋しました。()内は私の注釈です。
異国 ─ ─ アメリカ をも ロシヤ をも 含め た 広い 意味 での ヨーロッパ ─ ─ シナ でも なく 朝鮮 でも なく インド でも ない 異国 に対する この 国 の 人 の 最初 の 印象 は、 決して 後世 から 想像 する ような 好ましい もの では なかっ た。 もし 当時 の いわゆる 黒船、 あるいは 唐人 船 が、 二本 の 白旗 を この国の海岸に残して 置いて行く(降参するならこの旗を掲げよという意味) よう な 人 を 乗せ て 来 なかっ た なら。 もし その 黒船 が 力 に 訴え ても 開国 を 促そ う と する よう な 人でなし に、 真に 平和 修好 の 使節 を 乗せ て 来 た なら。 古来 この 国 に 住む もの は、 そう 異邦 から 渡っ て 来 た 人 たち を 毛 ぎらいする 民族 でも なかっ た。 むしろ それら の 人 たち を よろこび 迎え た 早い 歴史 をさえ 持っ て い た。 シナ、 インド は 知ら ない こと、 この 日本 の 関する かぎり、 もし 真に 相互 の 国際 の 義務 を 教えよ う として 渡来 し た 人 が あっ た なら、 よろこん で それ を 学ぼ う と し た に 違い ない。 また、 これ ほど 深刻 な 国内 の 動揺 と 狼狽 と 混乱 とを 経験 せ ず に 済ん だ かも しれ ない。 不幸 にも、 ヨーロッパ 人 は 世界 にわたって の 土地 征服者 として、 まず この 島国 の 人 の 目 に 映っ た。「 人間 の 組織的 な 意志 の 壮大 な 権化、 人間 の 合理的 な 利益 の ため には いかなる 原始的 な 自然 の 状態 に ある もの をも 克服 し 尽くそ う と いう ごとき 勇猛 な 目的 を 決定 する もの」 ─ ─
それ が 黒船 で あっ た の だ。
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