2025年1月11日土曜日

 【夜明け前拾い読み-11】

公武合体の意向による皇女和宮輿入れの大行列が木曽の街道も通行した。その規模はこれまでの大名行列を遥かに上回り街道筋はありったけの人・馬を駆りだされ大騒ぎとなったようです。

以下本文抜粋しました。

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姫君 を 乗せ た お 輿 は 軍旅 の ごとき いで たち の 面々 に 前後 を 護ら れ ながら、 雨中 の 街道 を 通っ た。 いかめしい 鉄砲、 纏、 馬簾 の 陣立て は、 ほとんど 戦時 に 異なら なかっ た。 供奉 の 御 同勢 は いずれ も 陣笠、 腰弁当 で、 供 男 一人 ずつ 連れ ながら、 その あと に 随 っ た。 中山 大納言、 菊 亭 中納言、 千種 少将( 有文)、 岩倉 少将( 具視)、 その他 宰相 の 典侍、 命婦 能登 などが 供奉 の 人々 の 中 に あっ た。 京都 の 町奉行 関 出雲 守 が お 輿 の 先 を 警護 し、 お迎え として 江戸 から 上京 し た 若年寄 加納 遠江 守、 それ に 老女 ら も お供 を し た。 これら の 御 行列 が 動い て 行っ た 時 は、 馬籠 の 宿場 も 暗く なる ほどで、 その 日 の 夜 に 入る まで 駅路 に 人 の 動き の 絶える こと も なかっ た。

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#島崎藤村

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