【夜明け前拾い読み-24】
木曽街道を西に移動していた水戸藩尊攘派と幕府の命を受けた諏訪・松本藩の討伐隊は下諏訪・砥沢口で衝突し、水戸藩尊攘派が勝利しました。
以下本文抜粋しました。()内は私の注釈です。
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その時浪士の一人が山の上から放った銃丸は松本勢を指揮する大将に命中した。混乱はまずそこに起こった。勢いに乗じた浪士の一隊は小銃を連発しながら、直下の敵陣をめがけて山から乱れ降った。 耕雲斎は砥沢口まで進出した本陣にいた。それとばかり采配を振り、自ら陣太鼓を打ち鳴らして、最後の突撃に移った。あたりはもう暗い。諏訪方ではすでに浮き腰になるもの、後方の退路を危ぶむものが続出した。その時はまだまだ諏訪勢の陣は堅く、樋橋に踏みとどまって頑強に抵抗を続けようとする部隊もあったが、崩れはじめた全軍の足並みをどうすることもできなかった。もはや松本方もさんざんに見えるというふうで、早く退こうとするものが続きに続いた。 とうとう、田沼玄蕃頭(幕府から派遣の討伐軍)は来なかった。合戦は諏訪松本両勢の敗退となった。
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#夜明け前
#島崎藤村

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